ターミナルケアについて〜私達にできること    
                               るんば


 
 2002年8月にPUREカウンセリングセンターさんの「ターミナルケア」についての講座を受けてきました。主に末期医療を受ける状態にあるペットを抱えた飼い主さんとどう関わっていくか〜という内容です。
内容はとても濃く、充実したものでした。
 この内容を自分のものにして活かしていくには、まだまだ自分は未熟だな〜と実感しました。もっと色々勉強と経験をつまなくては・・・と再認識しました。
 ここで学んだ事は、自分自身の犬や猫、身近な大切な方に活かしていけたらいいな・・と思っています。
 学んだ内容をHPに掲載するにつきましては、PUREの先生より許可をいただいています。(PURE人と伴侶動物の心理的総合作用研究所)

 講座で学んだ内容の中に、お年寄りや介護の必要な子達と暮らす方々にも役立つことがいくつかありました。
 このページではそれをご紹介したいと思います。

 もし、自分の大切なペットが介護が必要になったり、重篤な病気になったら・・・そのとき、私達ができることを書いてみたいと思います。

主治医の先生と十分にコミュニケーションをとる。
  できるだけ事前に情報収集をする。

 
在宅介護が必要なペットを抱えた飼い主さんは、とても不安を持っています。その不安のいくつかをあげてみます。

※急になにかあったらどうしたらいいか?
※医師はすぐに往診にきてくれるのか?
※痛みをやわらげてあげることが、自分にできるか?

痛みや発作が強くなったとき、どうしたら良いか?
消毒や吸引などの処置が自分にもできるのか?
自分の体力がもちこたえられるか?

 これらの不安は、主治医の先生と円滑にコミュニケーションがとれ、様々な相談が
できる信頼関係が築ければ少しずつ減ってくるそうです。
 それには、以下のことを十分に話し合ったり、知識や経験として先生から教えていただくことも可能ではないでしょうか?

※先生の夜間の緊急連絡先の電話番号を聞いておく。
何かあった場合、夜間でも診療していただけるのか?
往診は可能なのか?相談にのっていただけるのか? 
 ペットを病院につれて行く手段を考えておく〜自家用車、運転をしてくれる家族や友人の確保、ペットタクシーなど。
  
 入院した際の面会とつきそいについても聞いておく。
治療の選択肢をできるだけ多くあげてもらうようにお願いする。
(少ない選択肢であったとしても、選べるということは飼い主にとって一緒に
治療しているという連帯感、意欲が生まれる。)
 家族の希望が治療に反映されるように良く話し合いをする。
 治療法や薬、、検査の詳細や方法、ペットへの影響、費用、今後の状態についてなども納得がいくまで説明を受け、また質問ができるようにする。

※痛みや症状の読み取り方を聞いたり、どのような症状が今後現れるのかその判断と処置の仕方を聞いておく。
 
 事前に病気や症状の知識を持っておくことはとても大切です。
はじめは、病気のことを聞くのはとてもつらいかもしれません。
 でも、勇気を持って聞いてみてください。知ることは不安を減らすことにも繋がるかもしれません。
 出来る範囲でその子のためにやってあげたい、やってあげたという思いは自分自身を支えると思います。

 また、主治医の先生からペットの状態を聞くのは、できるだけそのペットのお母さん的存在でお世話をしている方が聞いたほうがいいそうです。他のご家族の方からのまた聞きだと正しく情報が伝わらなかったり、不安が増したりすることもあるとのことでした。
 もし、仕事などで同席できなくても、後日直接先生にお伺いすることをお勧めします。
 お話がある際、動物看護士さん(以下VTさんとします。)に同席していただくと、とても心強いというアンケート結果もでているそうです。特に、よくお話をしたことのあるVTさんにそばにいてもらえたら、後で質問があった場合や先生には聞きずらい質問もVTさんには聞きやすい、相談しやすいそうです。 病院内でのスタッフさんと飼い主さんのコミュニケーションもとても大切だと思います。
 
※自分が疲れたときには休みをとる。
介護を交代してくれる協力者をみつけておく。(家族、友人、病院、ペットシッター)
 弱音を吐ける相手や場所を持つようにする。 (相談できる家族、友人、主治医の先生、スタッフの方) 

 介護する方にかかる重圧、ストレスは相当なものです。
飼い主さんの不安はペットにも伝わったり・・・私が倒れたら・・・という思いも飼い主さん自身を苦しめます。
 今まであった自分の時間がなくなったり、こころにも余裕がなくなったり・・・
そんなときは、話を聞いてくれる相手がいてくれたり、介護を交代してくれる方がいるととても心強いものです。
 介護の日々の中でもゆっくりと休息をとることはとても大切だと思います。
どうか時には、ゆっくり休んでくださいね。それがきっと明日への元気につながると思います。

<わたしたちのできること>

 ここからはわたしたち飼い主がペットのためにできることをご紹介したいと思います。
 ペットが重篤な病気になったり、先の見えない介護が始まると、なんとも言えない無力感にさいなまれることも少なくありません。
 私自身も先の見えないトンネルの闇の中に入ってしまったこともあります。
でも、わたしたちにもできることがあると教えていただいてきました。
少しでも皆さんにお役に立てれば幸いです。

介護の情報をできるだけ入手する。
 
※消臭剤を工夫したり、数種類用意します。
 ペットにも安心でなめても大丈夫、また消臭効果の強いものをいくつか知っておいたり、用意しておきます。病院で使っているものを問い合わせてもいいかと思います。
 介護で切実なのがお下の問題です。
 部屋中ににおいがしてしまうことは、ストレスにもなりますし、お客さんを呼べないと思ってしまっては、飼い主さんもペットも残念・・・  
 そこで味方になるのが消臭剤と言う訳なのです。

※ペットシーツや紙オムツ、介護用品の工夫。
 ペットシーツや紙オムツは、人間用のものを代用できるかとも思います。
 ペット用の洗えるシーツは高価だったりしますが、人間の赤ちゃん用のおねしょシートの方が安かったりします。
 私はお尻拭きも人間の赤ちゃん用を使ってます。(ノンアルコールタイプのもの)これでお口やお尻や手足を拭いてます。
 人間用の紙オムツはシッポの部分を穴で開けてあげなくてはいけません。
 穴が大きすぎるとうんちが洩れてしまいます。
  
<私のお知り合いの方のアイディア>
 使用済みのペットシーツの
汚れていない部分をはさみで小さくカットしてためておきます。
 その子の尻尾とお尻の大きさを考えて大きめに。人用の生理用ナプキンも代用できます。
 シーツの真中をはさみでしっぽがでるぎりぎりの大きさの穴をあけます。
 (本当にしっぽの大きさ、きちきちがポイント!)
 紙オムツをはかせるとき、その穴をあけたシーツを尻尾とお尻に部分に二重にあててはかせ、シッポをだしてあげます。(シーツは内側にします)
そうすると、紙オムツだけのときより数段漏れがなくなるそうです。ペットシーツにもむだがない!と言ってました。
 男の子の場合、おしっこがもれることもあるので、その部分をシーツで二重にしてもいいそうです。
 また、床づれが出来てしまいそうな所やその個所にはベビーパウダーをはたいてあげて、なるべく乾燥させてあげてました。
 ベビーパウダーの香りが優しくてとてもいい感じです。

注)まれに、ベビーパウダーにかぶれてしまう子もいます。自然素材のクレイというねんどの粉はオススメです。床ずれした箇所にはたいてあげると、治りもはやくなるそうです。
 クレイについてはこちらを参照にしてください。


参考リンク

■アロマの部屋(クレイ・アロマセラピー体験談)

■E-CONCEPTION(クレイ等通販)


※大好きな食べ物をできるだけ見つけておきます。
 病状が悪化して本当に食べられなくなったとき、内臓が悪いので食べてはいけないものを考えるより、その子の好きだったものなら食べさせてあげて構わない〜と思ってます。(一部の本にも書いてありましたし、PUREの先生もおっしゃっていました。)
 その子の大好きな食べ物を多く知っているだけ可能性が広がります。
 ある子はコーヒーが大好きで(もちろん、体に悪いので飲ませられませんが)お水にポカリスエット(水でうすめたもの)にほんのわずか小さじ1杯もないくらいコーヒーを混ぜてあげたら元気に飲んだそうです。
 私もうめちゃんには大好きなパンをあげて、それに子犬用のミルクを浸してあげてました。腎臓や肝臓が悪かったので、塩分のあるパンはいけないんですけど。(^^;)
 あるアフガンさんは、亡くなる前にダイスキだったクロワッサンをパクパク食べたそうです。

※マッサージをする。
 ペットが元気なときから、介護が必要になったり、寝たきりになったときまでずっとしてあげられるのがマッサージだそうです。
 元気なときは全身を触って異常がないかやスキンシップに。
 お年寄りの子や介護が必要な子には血行を良くしたり、リラックスさせてあげたり、いろんな効果があるそうです。
 マッサージと言っても難しいことはなく、毛の流れのそって優しくなでてあげるだけでも十分だそうです。その際は、痛がったり、嫌がる場所を十分に考慮してあげなくてはなりません。
  
 また、マッサージをする時にお好みのアロマやお香を炊いたり、リラックスできる音楽を流すのもいいそうです。アロマには様々な効果があるようです。後ほど詳しい秋さんに聞いてみたいと思います〜。
 病状が進んだ子にはアロマなどの香りは負担になる場合があるので、注意も必要だそうです。それでもマッサージだけは続けてあげてください。
   
<マッサージの注意点!>
 マッサージをしているときは、飼い主さんもペットもリラックスできて、気持ちが明るく、穏やかでなくてはいけないそうです。
 ふれあっていて、不安になったり悲しくなったり、気が進まないときはお休みしてくださいね。ペットにも不安が通じてしまいますよ〜。
 また、悲しい時もマッサージに使うときにとっておきのアロマ、お香、音楽は使わないようにしてください。
 どうしてかというと〜ペットを亡くした後、マッサージに使ったアロマ、お香、音楽を流すとそれに癒しの効果があるからだそうです。
 ペットとのふれあいやリラックスしたときの思い出がよみがえるそうです。
 私はできるだけのことをやってあげて、あんな安らかな時もあの子と持てた・・・という思い出です。
 もし、悲しく涙しながらアロマを炊いて音楽を聞いてマッサージしたら、そのアロマもお香も音楽も悲しい思い出を呼び起こしてしまいます。
だから・・・悲しくなったら絶対にマッサージはストップ。お休みしてくださいね。(^^)

※てづくりの抱き枕をつくる。
 寝たきりになるとどうしても床ずれが出来やすくなります。
 床ずれ防止のために両足が重なってすれてしまわないように抱き枕を抱かせてあげるのも一つの方法です。
 その抱き枕を飼い主さんの手作りでつくってあげるのも素敵ではないでしょうか?
 素材につきましては、タオル地などのループ状のものは避けるようにしたほうがいいそうです。爪に引っかかってしまう事故に繋がってしまうからだそうです。
 素材などは十分注意しながらかわいい枕を作れるといいですね。(^^)
 また、ベットの素材なども工夫をこらし、1日1回はベット回りのものを噛んだり、飲みこんでいないか点検してください。
 誤飲はとても危険です。布類はレントゲンに写らないこともあるため、気をつけてください。
 すれやすい部位にはソックスをはかせたり、古いTシャツを着せてあげるなど、いろいろ工夫してあげることもできるかと思います。

 ペットにも優しい素材のの布地〜ネル地についてはこちらを参照にしてください。人の布なぷきんに使われていて、蒸れ、かぶれを防ぎます。赤ちゃんの布オムツにも最適!

トリマーさんとお友達になる。
 介護が必要になるとシャンプーもペットにとって負担になったり、一人ではなかなかうまくできない場合も多くあります。
  そんなとき、自宅にトリマーさんに来ていただいてシャンプーしていただけば、とても心強いものです。自宅でできるケアのしかた、爪の切り方(お年よりは伸びるのが早い)などを教えていただくといいかもしれません。滑るのを防ぐために足の裏のパットの毛をカットしてもらったり、お尻回りや口元をカットしてもらうと、綺麗にしてあげることがきるかと思います。
 長い毛が自慢でどうしてもカットしたくない・・という方には、トリマーさんが使うペーパーで長い毛を保護するために、くるくる巻いてあげる方法もあります。
 手間も時間もかかって、手入れも大変ですが、かわいい我が子にやってあげることで結構楽しかったりするかもしれませんね。(^^)
 シャンプーの素材もペットに優しいものを選んだり。色々工夫してあげてください。
 動物病院のVTさんの中にはトリミングが出来る方もいらっしゃいますから、ご相談してみてください。
   
※「ありがとう」の本をつくる。
 できるだけペットが元気なうちに「ありがとう」の本を作りませんか?
 まず、ペットのありったけスマイルのお気に入りの写真を選びます。
その写真を画用紙やノートに貼り、名前、誕生日、性別、好きなもの、嫌いなもの、得意なこと、大好きな遊びなどを書きます。それが表紙になります。
  次のページからは、一つずつあなたからペットへのありがとうを書いていきます。1日気づいたことを一つ書いていってもいいですし、思いついたときにまとめてでも、それは自由です。大切なのは、それを義務にしないこと。マイペースで書けるときに書くようにします。
 また、「ペットからあなたへのありがとう」をペットになったつもりで書いてみてもいいそうです。たまには感謝してよね〜と思うのも良いのではないでしょうか?(^^)

※介護日記をつける。
 これはちょっと切実なのですが、ペットのちょっとした変化や病院でお薬や治療法を聞いたときなど、その日の天候を合わせて簡単な日記を記しておくといいということです。
 痴呆症のわんちゃんの飼い主さんがずっと付けていて大変助かったと聞きました。天候によって体調がかわることもあったり、便や尿の変化など、いつから変わったのか先生に説明するときに役だったとのことでした。
 ペットが元気なときからでも、簡単なノートを付けておくといいかもしれないと思います。
      
※自分の死生観を見つめなおす。
 私がPUREさんの講座を受けたときにまず最初に質問され、答えたのが自分の死生観についてでした。
「死んだら魂はどうなるのか?」
「亡くなったペットはどこにいくのか?」
「亡くなった方、ペットと出会えるのか?」
「亡くなったらあなたはどうなると思うのか?」
「輪廻転生や生まれ変わりは信じるのか?」
  
 正直、答えに悩みました。
 大切なペットがターミナルや介護や様々な転機にさしかかったとき、飼い主自身の死生観が無意識のうちにペットに投影されるそうです。
   
 なかなか難しい事ですが、過去にあった喪失や悲嘆、自分の生き方や死について今一度見つめなおし、自覚することはとても大切だそうです。
 それを家族や友人と分かちあうことは、心の励みになるそうです。
 また、私達は自分の価値観や死生観を無意識のうちに他の方にあてはめて考えてしまいがちだそうです。
 ですが、ひとりひとり皆違った考え方を持っています。だから、その方の考え方をきちんと受け止めていってあげることが大切になってくるのだと思いました。

 私は、曾祖母、祖父を亡くし、昨年大切な友人も病気で亡くしました。
大切な愛犬も2頭続けて亡くしています。それが私の死生観にとても大きな影響をあたえました。今は、それを心から感謝しています。
 
生きることも、亡くなることも、とても大きな意味があるのだと思います。



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