前庭神経炎 〜NAOさん 耳の奥(内耳)には、蝸牛という聴力を司る器官と、前庭(半規管を含む)という平衡感覚を司る器官があり、耳石という器官から出ている前庭神経があります。 前庭神経炎とは、前庭(半規管含む)や前庭神経に何らかの原因で障害がおこる病気で、蝸牛の障害を伴わないもの、つまり、耳鳴りや難聴などの聴力障害を伴わないものを指します。 高齢の動物によく見られ、犬以外にもネコやウサギなども発症します。 重度の場合、斜頚などの後遺症が残る場合もありますが、発病当初の症状が激しいわりには、予後は良いとされています。 しかし、一度障害を受けた前庭は機能回復が困難と言われており、再発を繰り返すことも多々あります。 <原因> 外耳炎の悪化などにより、内耳まで炎症が達することが原因であるとか、前庭への血管の閉塞が原因であるとも言われていますが、明確な原因は不明。 <症状> 突然発症することが多く、発症からほぼ24時間以内に次のような症状があらわれます。 ● 回転性眩暈 ● 眩暈による嘔吐・食欲不振・元気消失など自律神経障害 ● 眼振(眼球が一定リズムで一方向に流れる) ● 斜頚(首をかしげているような状態) ● 重力に対しバランスが取れない為、真っすぐ歩けない、立てない、転ぶなどの運動障害を起こす。うまく歩けない事を怖がり、寝たきり状態になることもある。 <治療> ● 病変の場所や状態を、正確に把握するのは非常に困難かと思われます。MRIなどで検査をすればわかる場合もありますが、高度先進医療器を揃えている病院は少なく、外科的処置ができる獣医師もごくわずかで、リスクを考えれば内科的療法が現実的と言えるでしょう。 ● 獣医師にステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)やビタミン剤を処方してもらうのが一般的なようです。 ● ステロイド剤は治療として非常に有効な反面、副作用もあります。 病状に合わせた適量を処方してもらう為にも、病状を細かく正確に伝達できるようにしましょう。 ● ステロイドの投与により、体内で本来つくられているホルモンの分泌量が減少する場合があります。 病状が良くなったからと飼い主が自己判断で薬を中止した場合、体内で必要なホルモンが足りなくなり ショック状態から突然死の危険があります。必ず獣医師の指示どうりに投与しましょう。 ● ステロイドの副作用として、免疫力が低下し感染症にかかりやすくなります。 <家庭でのケア> ● 食事が全く取れない、水を全く飲めない場合、家庭でのケアは困難です。入院などを含め獣医師に相談しましょう。 ● 自分で動こうとしない場合や嘔吐が激しい場合、脱水状態にならないよう気をつけましょう。 ● 運動障害があるものの自分で動ける場合、転んだ時に家具などで外傷を負わないように 配慮が必要です。 ● 寝たきり状態では、床ずれが心配です。圧力がかかる部分をマッサージして血行を良くし、定期的に寝返りをさせることが必要です。 ● ペット自身は体の自由が利かない為、不安やストレスを感じています。体をマッサージしながらやさしく声をかけるなど、精神面のケアをしてあげましょう。 ● 自力で動けない場合、寝床を汚したくないという本来の習性から、オシッコを我慢しているかも しれません。オシッコが24時間出ないと、ショック状態から死んでしまいます。 膀胱を圧迫しても出ない場合は、早急に獣医師に相談しましょう。 ● ステロイドの服用により免疫力が低下します。 細菌感染などの二次的疾患を防ぐためにも、体や寝床はいつも清潔にしてあげましょう。 ● 介護が長くなると、飼い主自身が精神的にまいってしまいます。 飼い主の精神不安は、ペットにも不安やストレスを与え自己治癒力を低下させます。 時には飼い主自身のリフレッシュも必要です。 |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||