鳥権11か条

1 僕を家に連れてくる前に僕のことをよく予習してください。

僕らは犬や猫と違い,ペットとしての歴史は浅いし,まだ野生の精神を維持しているから,僕らの欲求を満足させるのはかなり難しいと思う。
でも、僕の精神的健康のために学習してほしい。
それと僕のいとこたちをジャングルから都会へ連れてくるのはやめておくれ。ジャングルから都会への移行は精神的負担が大きすぎるよ。


2 出来るだけ大きなケージを僕に用意してください。

僕の祖先は熱帯雨林やサバンナを自由に飛び回っていたのに、それを君らのためにあきらめたんだよ。だから最低限,僕が翼を思いっきり伸ばせるくらいの大きさのケージにしておくれよ。
それとおもちゃやかじる木も忘れずに。
さもないと,君の家を僕の故郷と勘違いして、辺りかまわずかじってしまうかもしれないよ。


3食事は健康食にしてください。

たとえ用意するのに手間がかかったとしても,僕にはいろんな種類の新鮮で栄養価の高い食事が必要なんだ。種だけじゃ栄養バランスが傾いてしまうよ。
しっかり勉強して,僕の好みを早く知っておくれ。


4 僕にも社交の場を与えてください。

僕らは群れをなして生活するけど、君らとは違うんだよ。
だから、君たちのやり方を学ぶためにも社交の場を沢山設けてほしい。
君がたとえどんなに忙しいとしても、毎日僕と過ごす時間を作っておくれ。
僕も感情のある生き物なんだ。
毎日君と接することで、君を信頼する事を学び、僕の面倒を見てくれるという確信を持つことができるんだ。


5 僕を清潔に保ってください。

僕は食べ物を落としたり,時には投げ散らかしたりするかもしれないけど、健康でいるために清潔な環境が必要なんだ。
シャワーをあびなきゃ肌が痒くなるし,羽根が油っぽくなったら羽枝がくつかなくなっちゃうよ。それに餌入れや水が汚いと,病気になってしまうこともあるからね。


6 僕に主治医をつけてください。

君には僕の生理学を理解できず、僕の具合が悪いってことに気がつくのに時間がかかってしまうかもしれない。
そして君が気がつくころには「時すでに遅し」って事態も起こりえるんだ。
僕たちは野生の習性から病気をかくすからね。
だってジャングルには敵が沢山いるんだもの。
そうそう、医者は鳥専門の獣医を頼むよ。
え?医療費が高すぎるって?
だったら最初から僕を家に連れて帰ろうなんて思わない事だね。


7 叱らないでください。

君の性格を理解しないからって、僕を叱らないでおくれよ。
君だって僕の性格を理解してないんだから。
僕は問題を起こさないように努力してるんだよ。
でも忘れないでほしい。
家はジャングルとは違うんだ。
もし僕が間違ったことをしたとしても怒鳴ったり,ぶったりしないでおくれ。
僕たちはとてもデリケートな耳をもってるんだよ。
それにしても叩かれたら,君を一生信用することができなくなってしまうよ。
君らの手は時には僕達にとってとっても怖いものになるんだから。
それにさ、僕達は罰では学習できないし、自分を守る為に噛みつき返してしまうかもしれない。
僕達は君からの忍耐と愛を感じられたときのみ学習するんだ。


8 僕の「言語」を理解してください。

僕が水入れをひっくり返したり,餌を投げたり,叫んだり,羽を抜いたりすると君が怒るのもわかるよ。
でも僕は君にいやがらせしようとしてやってる訳じゃないんだ。
僕は淋しいとか、悲しいとかそんなことを君に伝えようとしてるんだよ。
僕のボディランゲージを理解しておくれよ。
僕だって君の言葉を学ぼうとしているんだから。


9 僕を一個鳥としてみてください。

僕らは一個鳥なんだよ。2羽として同じ鳥はいないんだ。
だから君が望んでいるみたいにおしゃべりしないとか君の友達の鳥がしているような芸をしないとかっていう理由で僕に失望しないでほしい。
僕のことをもっと注意深く見てほしい。
そしたら君におしゃべりや芸以上のものを与えるよ。
君に僕のことをわかってもらう機会を与えておくれよ。
そして忘れないでほしい。
僕はリビングルームの飾りじゃないってことを。


10 君の愛情を分けてください。

何はともあれ、君は僕にとって特別な存在だっていうことを忘れないでほしい。
僕は誠心誠意をもって君を信頼してるんだ。
僕らは一夫一婦主義なんだよ。
だから長時間どこかに行ったり、僕を他の人にあげないでおくれ。
その悲しみから僕は立ち直ることができないかもしれない。
僕が多くを望みすぎていると思うなら,最初から僕を家に連れて帰ったりしないでほしい。
子供ができたからとか新しい仕事に就いたからっていうのは理由にならないよ。
だって君はそういう理由が発生する前に僕を選んだんだもの。
もし君が先に逝ってしまうかもしれないから僕から離れなくてはいけないというなら、僕のその後のことも考えておくれ。
君が逝ってしまってからも僕は何年も生き続けるだろうから・・・
僕が小さなケージに入って誰も知らない人達の中にいるかもしれないっていうこを忘れないでおくれ。


11 君の権利

君には沢山の権利がある。
でもこれだけは言えるよ。
もし君が僕に前記のように接してくれたら、僕は君にゆるぎない愛とユーモア、知恵、それに君が子供のとき以来味わったことのない不思議な感覚でお返しするよ。

君が僕を家に連れて帰った時点で君は僕の群れのリーダーになったんだ。というより、僕の全宇宙の中心になったわけだ。
もし可能ならば僕は君のために月だって星だってプレゼントするよ。

だって僕らは心と魂でひとつなんだもの。

Stewat.A.Metsによる「鳥類の基本的と鳥権に関する宣言」より


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