ハイグローマ体験談〜バーニーズ・マウンテンドッグ・ノエル・当時生後7ヶ月・るんば
                 
 当時生後7ヶ月くらいだったノエルの様子におかしいと気づいたのは、お散歩時に両肘の部分が膨らんでゆらゆらしているのが最初でした。
 気がついたときには、肘の付け根の部分がピンポン玉くらいにふくらみ、触ると水ヨーヨーのように柔らかかったです。ノエルが別段痛がる様子もありません。

 驚いてすぐ病院に行きました。かかりつけの病院がお休みだったので、以前小鳥や小動物でお世話になった先生の所に行きました。
 診ていただいたとき、すぐに先生は「ハイグローマ」だとおっしゃり、「もっと早く気がつかなかった?」と聞きました。
 正直、とても情けない思いでした。
 新しい仕事先になれるのに精一杯でノエルの変化に全く気づいていませんでした。自分を責めました。
 愛犬の体を全身触ってチェックしてマッサージする大切さも、このとき 痛感しました。
 
 先生は、以前ご存知だったのドーベルマンでの症例のついてお話してくだいました。遺伝性の強い病気でもあり、もし可能なら、ノエルの兄弟や両親に同じような症例がないか聞いた方がいいというアドバイスもありました。すでに遺伝病の股関節形成不全を患っていて、分かった上で家族に迎えていました。正直、またか・・という気持ちもありましたが、勇気のない私は血統書からさかのぼって連絡する事は辞退しました。   
 原因としては、遺伝のほかに固いところで寝起きして、肘が繰り返し刺激を受けることによって起こり、中に液体を含んだ袋状のものが肘にできたあとに、犬が硬い床の上で横になることを止めないでいると袋がどんどん大きくなるということでした。
 そういえば、暑い季節だったのでマットをしいてもその上ではなく、固いコンクリートや大きな冷たい石の上で寝ていました。

治療法としては、肘のしょう液を注射で抜き取り、そこをテーピングで圧迫し、なるべく 水がたまらないようにして、炎症を起こさないように抗生剤を飲む事となりました。
 以前のドーベルマンは、水のたまるスピードが速すぎ、肘部分に小さなカテーテルのようなものを埋め込んで、そこから直接液がぽたぽたたれる方式をとっていたそうです。
 ですが、そこからしょう液がたれるのを気にしてなめてしまったり、傷口が広がってしまったり、膨らんだ個所がはじけてしまったり、炎症が起きたり、臭いがすごく臭くなってしまったり・・・カラーをしたらずっとしっぱなしになってしまい・・・随分かわいそうだったそうです。完治する保証はなく、原因もそう明らかではなく、対症療法しかないことを聞きました。 
 
 ノエルの場合、1ヶ月くらいしょう液を抜きながらお薬を飲み、(炎症止め) 抜いた後はひじの部分をテーピングして固定していました。 なるべく水がたまらないようにするためです。 ですが、きつく巻きすぎて足がむくんでしまったり、ひじは動くので取れてしまったり しました。 当時は水がたまった部分がこすれて傷ついたり、はじけてしまうともっと事態が 悪化してしまうため、ノエルのいる所には柔らかいマットを敷いて負担がかからないように 気をつけました。 ハイグローマのなるまえにコンクリートにしてしまったので、発病する1ヶ月前くらいは 暑かったせいかコンクリートにいる事が多かったです。

 肘に水がたまる以外は痛みもないようで、お散歩には普通通りに行っていました。    ですが、日を追うにしたがって水がたまるスピードが早くなり、1週間に2回だったのが  とても辛抱強い子でしたが、1日から3日おきに水を抜きに行くのはとてもストレスが かかったと思います。病院をとても怖がりました。
 私と看護婦さんで保定して、1本ずつ前足から注射で水を抜き取ります。痛かったと思います。でも、抜いているときはじっと我慢して、そんな様子がいじらしかったです。  先生がノエルの辛抱強さをとても誉めてくれました。これだけ怖い思いをしてもじっと黙って 耐えていたノエル。診察台にのることも、保定されることも、注射で抜かれるときも暴れたことも、鳴いたことも一度もありませんでした。
 
 先生がノエルを思いやってくださり、治療が長引くことで優しい性格が ストレスで曲がってしまう事をとても心配してくださったのが印象的でした。
 色々な病院などに治療法を聞いてくださり、2ヶ月くらいたってからだったと思いますが、 免疫抑制剤を使う事にしました。 副作用等の心配もあるため長期間つかえないとの事で様子をみながらの処方となりました。 それがノエルにとても良く効き、使ってしばらくしてしょう液がたまらくなくなりました。 その後、免疫抑制剤を追加することなく、4年後までとても元気に過ごしました。
 
 残念ながら、腸閉塞の事故で2001年初夏に亡くなりました。 ハイグローマの件に関しては、再発のことも危ぶまれましたがそれがなかったことがとても救いでした。
 ハイグローマという病気を克服して、私とノエルの絆はいっそう深まったように思います。

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