真菌感染症について〜NAOさん(2003・7・4)

■ 真菌感染症とは・・・

俗にいう”カビや酵母”による感染症のことです。
真菌は、植物性の細胞膜を持っていることが特徴で、細胞膜を持たない原核細胞の細菌とは区別されます。
真菌はいわゆる常在菌であり、人間を含む大半の動物はもともと保菌しています。
通常、体の免疫により過剰な増が抑えられ発症することはありませんが、幼齢、高齢、病気、ステロイドや抗生物質の多用などにより、免疫力が低下することにより発症します。
真菌感染症は接触などにより、人を含むあらゆる動物に感染するため注意が必要です。

■ 真菌感染症の種類と原因菌

真菌感染症は、感染の深度により3つに分類されます。

1.表在性真菌症ー菌の寄生は表皮および角質までで、真皮にはいたらない。

2.深部表在性真菌症ー菌の寄生が真皮から脂肪組織にまで達している。

3.深在性真菌症ー全身の諸臓器に菌が寄生する。

体の全ての組織に寄生する真菌ですが、ここから先では皮膚の表面に発症する
表在性真菌症についてのみ説明します。

一般的に原因菌となることが多いのは、皮膚糸状菌です。
細かく分類すれば、皮膚糸状菌にも数種類ありますが、犬猫では犬小胞子菌、ウサギ・モルモットなどのげっ歯類では、毛そう白癬菌が多いようです。
皮膚糸状菌以外の原因菌としては、マラセチア、カンジダなど多数あります。

■ 発症すると・・・

 真菌は、皮膚の角質細胞やケラチンを溶解して、角質層に侵入すると同時に、蛋白分解産物であるペプチドやアミノ酸を栄養源として増殖していきます。
 病変部は、リングワームと呼ばれる円形の脱毛と炎症、また、ポロポロと皮膚がはがれたり、かさぶたになったりします。
 患部は円形状に拡大していくのと同時に、中心部は炎症が治まっていきます。皮膚に色素沈着が見られることもあります。
 また、とびひのように別の場所へと感染していくこともある為、一箇所の病変部を確認した場合、全身的に拡大していないか注意が必要となります。
通常、患部が細菌などによる2次感染を引き起こさなければ、かゆみはありません。

■ 治療

 治療には、抗真菌剤の外用あるいは内服を行います。
局所的な表在性真菌症の場合は、外用薬による治療が主となります。
抗真菌作用のあるシャンプーなどを併用する場合もあります。
 また外用薬は、体毛が邪魔になり確実な皮膚への塗布が難しいため、患部の毛刈りも有効です。毛刈りすることにより患部の蒸れの防止にもなります。
 一般に、真菌の患部にステロイド外用剤を使用すると、症状が改善しないばかりか、悪化させてしまうことが多いので注意が必要です。
決して、自己判断で適当な軟膏などを塗らないようにしましょう。
 また、抗真菌剤にもアゾール系、アリルアミン系などいろいろな種類があり、原因となっている真菌の種類により、有効な場合とそうでない場合があります。
 培養検査を受け原因となっている菌を特定してから、獣医さんに適切な薬を処方してもらう方が安心です。

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