2003年8月の日記


8月1日(Fri)  立てないファング


ここしばらく、食欲もなくなんとなく顔が元気でなかったファングだが、少しずつ、顔というか目に元気が出てきたように感じる。
食欲はまだ少し細いが、これは暑さの影響だろうし、夏なんだから仕方ない。
ただ、食欲がなくなった頃から、後ろ足がほとんど立たなくなってしまった。
今まで、朝夕の食事は布団から移動していた。
私が食事の用意をはじめれば、「ごはんだ〜!ごはんだ〜!」と食いしん坊ぶりを発揮して、フラフラとよろめきながらも、自力で歩いてきていた。
そして、ファングが食事をしている最中に、私は急いで汚れた布団を代えていた。
しかし、食事を見せて「おいで、ご飯だよ!と声をかけても、立ち上がろうとしない。
顔はご飯に釘付け。食べたい気持ちはあるようだが、立ち上がろうという気がない。
神経麻痺のためだろうか?暑さによる疲れが慢性的にあるのか?それとも、ただ単に甘えているだけなのか?
いろいろと、何が原因なのか?と考えてみるが、きっと全部が原因なんだろうな。
暑くてだるいうえに、足も麻痺があるので思うように動かない。バタバタしていれば、すぐにNAOが自分の所へ来てくれるんだということも、ファングはしっかりわかっている。
もう、ファングは年だし、病気もあるし、甘やかしてしまってもいいのだが、神経麻痺でただでさえ筋萎縮の進行が早いのに、足に体重をかけることがなくなれば更に筋萎縮は進み、本当に寝たきりになってしまう。そして、たぶん一度動かなくなったら、2度と自分の足で立つ事はできなくなるだろう。
そして、思いどうりにならない自分の体に苛立ち、今よりも更にヒィーンヒィーンというイライラ鳴きも増えることだろう。
このイライラ鳴きが、私にとってはより一層ファングを不憫に思わせ、無性に私を切なくさせるのだ。正直、今の私にとっては、介護で眠れないことよりも、自分がゆっくりできる時間がないことよりも、このイライラ鳴きを聞くことの方が、ファングの心に触れたようで一番辛い。
ただ立ち上がるという当たり前の行動が、ファングにとってはかなりの疲労を伴う。
だから、喉が渇いていても、ファングは自分で水を飲みに行こうとはしない。
ただ、ひたすらハアーハアーと荒い息をしている。
暑い夏は、喉が渇く回数も多いし、暑いからとエアコンを入れれば部屋が乾燥するので、やっぱり喉が渇く。
放っておけば、脱水状態になってしまうため、こまめに水を口元へ運んでいるが、それが大変な思いをしてまで立たなくても、全部NAOがやってくれるから・・というファングの甘えを生んでいるのかもしれない。
1日に数歩でいい。自分の足で歩くことで少しでも筋力を保ってくれれば・・・
その反面、甘えが出るとわかっていても、水を飲めなかったり、食事ができなかったりすれば、一気に体調不良となり命に関わる一大事にまで発展する可能性もある。
神経麻痺と免疫低下に伴う真菌感染以外、これといって大きな問題はないのだが、私の見ている限りでは、ちょっと疲れただけで3日〜1週間も顔の表情がなくなるくらいなので、いくら内臓系が丈夫といっても、案外、ギリギリのところで生き抜いているのかもしれない。
そう考えると、筋力を保つ為に立たせたりすることは、やっぱり無茶だな。
そろそろ、布団の上に32圓離侫.鵐阿寝ていても、汚れた布団を代えられるよう方法を考えて練習しなければならない時にきているのかもしれない。
よし、くよくよしていてもしょうがない!
もしかしたら、秋になって涼しくなったら、またヒョコヒョコと歩けるようになるかもしれないし・・・
今日から私とファングにとってのBESTの方法を考えよう!
最初はうまくいかなくて、ファングにも少し大変な思いをさせてしまうかもしれないけれど、一緒に頑張ろうね。ファング!
No.109

るんば  2003/08/01/20:40:27   No.110
ファングくん、この暑さこたえているかもしれないですね。しずみんさんから聞いたクレイ愛飲健康法って元気や食欲のないペットにいいみたいだけど・・・今度聞いてみよう。
 私も今年の夏、高齢のチャコが心配です。高齢にはこたえるよね。
 お互いじいじとばあばをいたわって頑張りましょう。


狗呂  2003/08/01/23:21:42   No.111
甘えん爺さんファングのいらだちとNAOさんへの絶対的な信頼を思うと胸が切なくなります。
先日、家にきたポメラニアン。歯が全然なく、膝の骨は両足とも脱臼状態。乳腺腫瘍もある。でも元気に生きてる。こちらが心配になるほどトコトコ動きまわる。
彼らは死ぬことを考えて生きてるわけではない。えらいよなあ。


しずみん  [E-Mail] [URL]  2003/08/02/02:02:12   No.112
甘やかしていいのか、あえて厳しくした方が本人のためなのか、というライン、難しいですね。
うちのじじいねずみ・まめもだいぶ足腰が弱ってきましたが、あえて土管や回し車などをそのままにして少しでも足腰の運動になるようにしてやったらいいのか、それともバリアフリーな使いやすい環境にしていってやるべきか…まだまだ大丈夫そうではあるけれど、ゆくゆくのとことを考えると、悩みます。


豆ピン  [E-Mail]  2003/08/04/13:02:16   No.113
どのような方法をとったにせよ、NAOさんとファング先生が選んだやり方が結果的にはベストになるはずです!私はそう信じてます。
暑いけどがんばって下さいね!
NAOさんご自身のお体にも気を付けて下さい!

8月4日(Mon)  獣医師との人間関係


月に一度のファングの通院。
今日も、おみこしワッショイ!で病院へ。
ファングが乗る為の台を準備していると、ファングがヨイショ!ヨイショ!と歩いてきた。
お前、立てなかったんじゃないの?
たとえ行き先が病院でも、外出はファングにとって嬉しいことらしい。
移動中も車の窓から首をのばして、流れる景色を一生懸命見ていた。

病院の獣医師シフト表では、いつものD先生の予定だったが、今日は急遽Y先生に変更になったという。
ファングのことはD先生が一番よくわかっていてくれるので、初めてのY先生の診察をどうしようかと迷ったが、せっかく来たんだし、たまには他の先生のお話を聞いてみるのも悪くないかなと思い、診察してもらうことにした。
Y先生は、私も初めてなのだが、カルテでファングの名前を確認して診察の前にファングに向かって名前を呼びながら頭を撫でて、「よろしくね」と声をかけてくれた。
犬に対してのこういうちょっとした気遣いが、飼い主としてはとてもうれしい。
ファングの真菌が右半身にあるので、薬を処方すると言われるかな?と正直私は不安だった。病院でもらう軟膏を試したこともあるのだが、クリーム状の軟膏は、体毛のある部分には確実に塗布するのが大変だし、ファングの場合、あまり効果を感じたことがないからだ。
そのため、今は自己流で人用水虫薬を使っているのだが、人間の白癬菌とファングの糸状菌では、同じ真菌といっても種類が違うわけで、そのあたりを理由にNOと言われたら・・・そんなことに不安を感じながらも、私は人用水虫薬を使っていることを正直に言った。
Y先生は、私が心配していたほど嫌悪感も表さず、「じゃあ、成分は硝酸ミコナゾールとか?」とサラッと聞いてきたので、私も「今までは硝酸オキシコナゾールで、今は硝酸ミコナゾールと炎症がひどいところには部分的にブテナフィンも使っています」と答えた。
「今までそれで治ってきたんなら、そのまま続けてみましょうか!特に薬でひどくなったりってこともないんでしょ!」なんともあっさり。私には正直これは驚きであった。
今までのD先生はとっても真面目な先生だったので、強肝剤や抗生剤を場合によっては拒否する私に対しても、人用水虫薬にしても、手作りご飯にしても、初めは完全否定はしないまでも、若干の戸惑いが感じられた。
だから、私は自分の考えや試してみた結果など、何度も細かく話して理解してもらい、今の関係を築きあげた。その間、D先生は忙しいだろうに嫌な顔もせず、私の話を真剣に聞いてくれた。時には、1時間ちかく話すこともあったほどだ。
D先生との人間関係を築くまで、私なりに時間もかけたし、どうしたらわかってもらえるかと頭も使った。でも、今日初めて会ったY先生は、私の自己流のやり方を受け入れてくれた。
しかも、「治療方法は何でもいいんですよ。疾患をもっている本人が楽になることが一番重要!」そう、言い切ったのだ。
この言葉にも感動したが、今日の診察中、私が一番感動したのは、筋萎縮の進行でもうほとんど立つことができないことを話した後、聴診器で心臓の音を聞いた先生が、
「心臓は若い子に負けないくらい元気に動いてますよ!大型犬だし13歳という年齢なら腰のことは仕方が無いけど、それを悲観するより、この年齢でこれだけ心臓の調子がいいのだから、むしろ喜んであげましょう!」
感動!である。
私は、目に見える症状や老いにばかり目を向けていて、自分がしっかりしなくちゃと、自分が前向きになれるよう意識して自分の感情をコントロールしようとしたり、前向きに頑張る自分自身を演出していた。そうすることで、悲壮感に潰されること無く、今まで何とか笑顔でやってきたのだ。でも、もっと自然体でいいのかもしれない。
ファングの老いや病気の悪いところばかり見つめ、悲しんだり心配するだけではなく、いいところもたくさん見つけてあげて、それを素直に喜んであげればいい。
今日は、Y先生の何気ない一言で、とても大切なことを教えてもらったような気がする。
改めて思った。私とファングは、良い病院にめぐり合うことができて本当に幸せだ。
No.114

狗呂  2003/08/05/18:57:31   No.115
>喜んであげましょう。
うれしい先生の言葉です。

病院もそうだけどファングにとっては、NAOさん家とめぐり合えたことが一番の喜ばしいことではないかと思います。


るんば  2003/08/05/22:36:36   No.116
Y先生の言葉に私も感動です。たとえ足腰が弱っても、自分が若い気持ちであろうというファング君も元気な心臓もえらい、生きようとする力が一番大切だと思います。
 NAOさんが一番ファング君のことを知っています。それは誰もかなわない。だから安心して胸をはってね。それをサポートしてくれるいい病院があって本当によかったですね。


りんから  2003/08/06/08:21:48   No.117
きっといろんな経験を豊富に持ち、それを自分なりに身につけてきた先生なのでしょうね。
マニュアル通りでないとだめ!なんて言われないところがすごく素敵。
その子その子によって何もかも全部違うことを良く理解されているのでしょうね。
心臓が丈夫ってすごいよ!大きな犬は不整脈を持っていることが多いんだもの。


豆ピン  [E-Mail]  2003/08/06/12:25:20   No.118
よかった!よかった!うれしいですね!
心臓が一番ですから、心臓さえ丈夫なら安心ですよ!やっぱファング先生すげーよ!

8月7日(Thu)  痙攣発作
22時30分頃だと思う。
私がお風呂からあがると、ファングのまわりの絨毯や布団が濡れている。
色は透明、オシッコではない。触ってみるとねばりが強く痰のような感じ。
胃液を吐いたと思ったのだが、色が透明なので違う。
一体、なんだろう?
ファングに向かって声をかけると、ちゃんと私の顔を見る。
注意深くファングの様子を見るが、元気がないのと口元にごく少量のよだれがある他は息遣いも何もかも特に変わった様子はない。
少々心配しながら、ファングの口元をティッシュできれいにしてあげて、汚れた絨毯や布団を拭いていた。

23時頃、旦那が帰宅。
ファングの前に座り込みファングをジーッと見つめる私に旦那が、「何してる?」
「ファングの様子がなんとなくおかしいの」と私。
すかさず旦那が、ササミのおやつをファングに差し出す。
いつもなら、待ちきれない位の勢いで食らいつくファングだが、食べようとしない。
でも、鼻面に近づけたら食べた。もう一枚差し出すとまた食べた。
確かに様子はおかしいが、急を要する感じは微塵もなかった。
旦那と二人で遅い夕食を取ろうとした瞬間、ファングの様子は何もおかしな所はないのに、私も旦那も”ファングがおかしい”と感じた。箸を持ったまま二人とも、ファングに神経を集中させる。何故か私も旦那も声は出ないし、体も動かなかった。
この間、ほんの数十秒だったのだろうが、私にはとても長い時間のように感じられた。

23時30分頃。
声も出ない体も動かないほどの緊張に包まれた静寂のあと、事態は急変した。
ファングが、大量のよだれを口から流しながら、バタンと倒れた。
四肢を真っ直ぐに突っ張らせ、体が浮くほど激しく四肢をばたつかせ痙攣している。
ファングに近寄ろうとする旦那に、私は噛まれる危険があるから近寄っちゃダメと叫び、旦那には病院へ電話をかけるように指示。初めは私も、痙攣発作は数十秒で止まるはずだと思い、ファングに触れることなく自発呼吸をしているかを見ていた。
しかし、呼吸が止まってしまった。胸を激しく上下させて苦しそうに呼吸をしていたのがピタリと止まったのだ。痙攣はまだ激しく続いている。
もう、噛まれたっていい。そう思い、私はファングの頭を上げ気道を確保。同時に口のまわりのよだれを手でぬぐった。
すると、喉の奥に詰まっていた大量のよだれが流れ出てきて、自発呼吸も再開した。
呼吸の再開と同時に病院と電話が通じた。
気道が狭くならないようファングの頭を保定しながら、旦那を仲介して先生と話す。
ファングの犬種や年齢のほかに、今年4月の血液検査で問題がなかったこと、痙攣発作は今回が初めてということ、服用している薬のこと、お腹が膨らんでいるわけではないので胃捻転の可能性はないということ、オシッコも出しているので尿毒症の可能性もないこと、原因はわからないが多分てんかん発作だということ・・・
考えられる全てのことを先生に伝えた。
そうしているうちに、痙攣が治まってきた。しかし、まだ小さな痙攣は続いている。
「今のうちに運ぼう!」
旦那と二人で手分けして病院へ向かうための準備を整える。
準備が終わらないうちに、すぐまた激しい発作。
私が風呂から上がって見た絨毯のよだれ、あれがたぶん1回目の発作だ。
だとすると今度の激しい発作は2回目でなく3回目ということになる。短時間の間に断続的に痙攣が激しくなったり弱くなったり。でももう、完全に落ちつくことはない。私は、痙攣が治まるのを待っている時間はないと判断。
車に乗せ、急いで病院へ向かう。

深夜0時すぎ。病院へ着くまで大きな痙攣発作はなかったが、小さな痙攣は続いている。
すぐさま、血管を確保。脱水を防ぐための点滴を開始。同時に痙攣を抑える為に、抗痙攣剤も注射。薬が効いたのかしばらくすると、息使いもおちつき、よだれも止まり、痙攣も治まった。先生の話では、薬の効果でこのまま朝まで眠り続けるらしい。
ファングが落ち着いたところで、先生とファングの今回の発作について話す。
やはり症状からはてんかん発作だと言う。ただ、やはり原因はわからないらしい。
ファングの場合、今回が初めての発作なので遺伝的なものではない。
4月の血液検査で肝臓も腎臓もすべて異常はなかったので、肝性脳症など内臓から来る発作でもないと思うが、確定はできない。
麻酔やワクチンで以前、顔がパンパンに腫れたことがあるので、それからはワクチンなども打っていなかったが、散歩も行けない体だし、ジステンバーによるものでもなさそう。
原因として一番考えられることは、やはり脳腫瘍などの脳障害による発作か・・・
あとは、細菌やウイルスなどが、何らかの原因で脳にまわったか・・・
どちらにしても、脳障害が原因ならば、成すすべがない。
原因を特定する為には、全身麻酔下でのMRIだが、原因がわかったところで、手術は不可能。あいにく、通院している病院にもMRIの設備はない。
麻酔で顔が腫れるというアレルギーを経験しているファングにとっては、麻酔でショック死の恐れもある。この検査はリスクが大きく、メリットはない。
今はただ、抗痙攣剤が効果が切れて目覚めたとき、再び発作を起こさないことことを祈ることしかできない。
ただ、そばについていてやることすらできない。

深夜1時すぎ。
ファングのいない家に帰宅。
ファングがいないだけなのに、まっるきり生活感がなくなったようだ。
ジュンジュンとマッコも、留守中、かなり不安だった様子。
この夜は、めずらしく2匹とも私の布団にもぐりこんで寝た。
No.119
8月8日(Fri)  神様、まだ連れて行かないで・・・
朝一で病院へ電話。
前日の私の願いもむなしく、朝、薬が切れたと同時に、ファングはまた激しい発作をおこしたらしい。
もしかしたら、朝になったらケロッとして、今日は迎えにいけるかもしれないと思っていたのに、私の希望は打ち砕かれた。
14時30分、ファングの面会に行く。
朝の電話のあとも10時前後と14時前後に発作があったという。
薬の効果が切れると、すぐ痙攣発作を起こしてしまう。
抗痙攣剤の投与も、昨夜の6時間おきから3時間おきになったらしい。
目の前のファングは、薬で眠らされている。
点滴の針が刺さった前足が痛々しい。
目覚めれば発作を起こし、薬で眠らされることの繰り返し。
もちろん、食事も摂れていない。今の命綱は点滴のみ。
しかし、点滴だけで生きながらえることなど不可能だ。
ファングの痙攣発作が治まるのが先か、体力が尽きるのが先か・・・
病院でも、今できる事は2日か3日、薬で痙攣発作の無い状態を作ってやって自然に治まるのを待つことしかないという。
その後は、もしも全く改善が見られなければ私は決断を迫られるかもしれない。
先生は、はっきり言わなかったが、安楽死のことだ。

面会の後、今日、もともとファングの元気な顔を見に来る約束をしていた狗呂さんと合流。
昨夜からの経緯を話し、狗呂さんにも病院へ行ってファングを見舞ってもらう。
狗呂さんと病院に着いたのは、16時すぎ。
14時に抗痙攣剤を投与したと聞いていたので、まだファングは眠っていると思ったのだが、薬の投与から2時間しかたっていないというのに、すでに小さな発作が起きていた。
目を開けて小刻みに震えるファングの体に触れ、声をかける。
私と狗呂さんの声はファングに届いているのだろうか?
全く声に対する反応はない。ただ、発作で小刻みに震えているだけ・・・

ファングは病院が嫌いだ。犬も嫌いだ。
目覚めたとき、いつもの家の布団ではなく、犬たちの吠える声があちこちから聞こえ、白衣の獣医さんがウロウロしている所で、NAOもいないジュンジュンもマッコもいない、そんな中でたった一人、発作と眠りを繰り返すファング。さぞ、心細いことだろう。

ファング、早く元気になっておうちへ帰って来られるように頑張れ!
ファングのお布団、いつ帰ってきてもいいように、きれいに洗濯して敷きなおしてあるからね。
早く、NAOのところへ帰っておいで・・・
神様、お願い。まだ、ファングを連れて行かないで・・・
No.120

りんから  [E-Mail]  2003/08/08/22:29:20   No.121
届かないかもしれない。
でも、祈らずにいられません。
ファング・・・おうちへ帰れますように!


るんば  2003/08/08/23:23:08   No.122
ファング君、がんばって!
みんなの気持ちが届きますように・・
 きっとNAOさんと狗呂さんの声は届いているよ。


しずみん  [E-Mail] [URL]  2003/08/08/23:26:32   No.123
東京から、大阪から、名古屋から、そしてみんなのかわいい子らが暮らしている虹の橋のたもとから、みんながファングくんを応援しています。
私が仕込んでる「むちむちささみ」のおやつを食べに、絶対帰ってくるんだよ、ファングくん! おいしいんだよ!


豆ピン  2003/08/09/00:07:28   No.124
なんとしてでもNAOさんの待つ、家に帰ってください!ファング先生頼みます!
がんばってください!!


ルイママ  2003/08/09/01:14:08   No.125
入院先で辛いよね、ファング君。お家に帰りたいよね。優しいNAOさんが待っているから、がんばろう。


るんば  2003/08/09/10:02:36   No.126
NAOさん、お見舞いに行くとき、NAOさんのにおいのついたタオルを(ジュンジュンもマッコも)持っていってファングくんのそばに置いてもらってみてください。一番に応援になると思います。さっきノエルが教えてくれました。あたいもそうしてほしかっただって。そうだなと思いました。がんばれ!ファング君!

8月9日(Sat)  おかえりファング
 

ファング、おかえり!
ファングが大好きなおうちへ帰ってきました。
でも、その目はもう開くことはありません。
本日、14時40分ちょうど。
ファングは静かに虹の橋へ旅立ちました。

今日、私は13時まで仕事。
来週の仕事は、いつファングが帰ってきてもいいように、一週間お休みをもらった。
面会時間は14時から。もちろん今日も面会にいくつもりでいた。
るんばさんが、ファングが少しでも落ち着けるようにと、家族の匂いがついたタオルを持っていって、入院中のファングのそばにおいてあげたら・・・とアドバイスをくれたので、
タオルをジュンジュンやマッコにこすり付けて、持って行こうと準備をしていた。
今日はファングの主治医の先生が勤務しているので、今後のことなどファングにとって、どうしてやるのが一番いいのか、安楽死も含めていろいろと話を聞き、夜にはゆっくり旦那と相談をする予定だった。
実は、昨日の夜も、もしも安楽死させるなら、移動させるのはファングに負担がかかるから病院でという旦那と、往診をお願いして最後は自宅でという私の間でケンカになった。
そういったこともすべて先生に相談するつもりだったのだ。

さあ、旦那と一緒に面会に行こうと思った時、電話が鳴った。病院からだ。
ファングの様態が昼ごろから急に悪くなったと言う。
不整脈と呼吸不全。意識も全くなく、心拍の強さも昼の12%程度から1%台まで下がっていると言う。心臓がいつ止まってもおかしくない状態だと・・・
どうか、せめて病院へ着くまで死なないで・・・そう祈りながら車を走らせた。
病院へ到着。早速ファングの元へ・・・
ファングは、体に心電図などのコード類がたくさん取り付けられて、目を開いたまま静かに息をしていた。
心電図の計器の電子音がファングの心拍を表していた。
病院へ着いてファングの顔を見るまで、私はずっと生きて帰ってきて欲しい、だから頑張れ。と強く思っていた。でも、ファングの顔を見たら、「もういいよ。ファングはたくさん頑張ったんだから・・・」と自然にそう思えた。
先生はかなり危険な状態であることを説明してくれた。
私がファングの元へ着いた時は、すでに脳の中枢神経が死に掛かっており、かろうじて呼吸と心拍がある状態だった。もちろん、意識はないし、五感も死んでいると言う。
開いたままのファングの目は、瞳がもうまぶたの上のほうへ隠れていた。
ファングの首筋や顔を撫でながら、「ファング、もういいよ。頑張らなくていいから。一緒におうちへ帰ろう。」何度も何度も、そうファングに声をかけた。
もう楽になっていいからね。おうちへ帰るぞ。ジュンジュンとマッコも待ってるよ。
そう、声をかけていると、初めはまぶたの裏へ隠れていた瞳がもどり、私の顔を真っ直ぐに見つめてくれた。私は溢れる涙を拭いて、ファングに笑いかけ「一緒に帰ろう」と最後に声をかけた。すると、ファングの心拍を表す電子音が、少しづつゆっくりとなっていき、やがてピーーーーーーーーーと心拍の停止を告げた。
先生は蘇生はどうしますか?聞き、私はこのまま静かに眠らせてやってくださいと頼んだ。
先生は意識もないし、もう全くファングには何も伝わらないと言っていたが、最後にファングは私の笑顔を見つめながら、旅立っていった。
私の声も、撫でている手の感触も、涙でグチャグチャになった笑顔も・・・ちゃんとファングはわかっていたんだと思う。
私が病院へ到着してから、ファングの心臓が止まるまで、わずか10分程度。
まるで、私が来るのを待っていたようだ。
最後の最後まで諦めず頑張って、私を待っていたくれたファング。
ありがとう!
今日はゆっくり、おうちのお布団で寝ようね。
もう、苦しいことも寂しいこともないよ。
今日の夜は家族みんなで一緒に寝ようね。
家に帰ったファングの顔は、とても満足気に見える。とても安らかな顔だ。

ファングを応援してくださったみなさま、ありがとうございました。
みなさまのおかげで、ファングはとても安らかに旅立つことができました。
たくさんの方に心配されて、愛されて、ファングは本当に幸せでした。
No.127

るんば  2003/08/09/21:22:40   No.128
ファング君はきっとちゃんとNAOさんを待っていたんだね。そして、ちゃんとNAOさんに最期を送ってもらって安心して旅立てたと思います。ファング君が亡くなったのはとても悲しい。でも、最期は本当に良かったと思いました。しあわせだったね、ファング君。それはキミが一番知っているよね。


りんから  [E-Mail]  2003/08/09/21:55:02   No.129
おかえりなさい、ファング君。
今は、痛みも苦しみもなく暖かな自分の家で寝ているんだよね。
植物状態でも、意識がないと言われても、絶対にそんなことはないと思います。
だからNAOさんの声も手も匂いもすべて届いている。ひとりぼっちじゃなくて良かったね、ファング君。


りんから  [E-Mail]  2003/08/09/21:58:55   No.130
もう充分頑張ったから、もう頑張らなくても良いんだよ、、、同じ言葉をやはり難病で亡くなったシェパの飼い主さんから聞きました。
その子も安心したように飼い主さんの腕の中から旅立っていきました。
暖かな家、優しい心、たくさんの抱えきれないお土産をファング君は持って行くことができた。そう信じています。


豆ピン  2003/08/10/00:43:07   No.131
ファング先生。本当にお疲れ様でした。
そしてNAOさんもお疲れ様でした。
まだ、最後の状況


豆ピン  2003/08/10/00:50:22   No.132
ファング先生。本当にお疲れ様でした。
そしてNAOさんもお疲れ様でした。
まだ、最後の状況を伝えられる程気持ちの整理もついてない時にファング先生のことをお知らせいただきありがとうございました。最後の最後にNAOさんと手をつないで旅立ててよかったと思います。一人ぼっちで旅立たなくて本当に良かったです。
 ファング先生、ヨークシャテリアのチャーミーという子に会ったら遊んでやってくださいね。


しずみん  [E-Mail] [URL]  2003/08/10/01:55:59   No.133
ファングくん、NAOさんちの子になって本当に良かったね。NAOさんちでは、楽しいことばっかだったね。立てなくてもうまくごはんが食べられなくても、全部ひっくるめてNAOさんはあなたが大好きだったよ。みんなファングくんが、大好きだよ。
これからはいつでもNAOさんといっしょにいられるね。海にも野原にも連れて行ってもらおうね。また、会おうね。


chie  [E-Mail]  2003/08/10/14:59:37   No.134
フアング君、NAOさんの元にお帰りなさい。本当に良く頑張りましたよね。
NAOさん、フアング君本当に残念でした・・・何とお声をお掛けしたらよいのでしょう・・元気を出してくださいね。でも、フアング君はこれからずーっとNAOさんと一緒ですね。NAOさん、本当にお疲れさまでした。


りんから  [E-Mail]  2003/08/10/17:50:40   No.135
ふと気が付きました。
「ありがとう」が言いたくてファング君は待っていたんだね。
こちらは台風一過の晴天です。NAOさんとファング君の空も青いのでしょうか?


ルイママ  2003/08/11/01:48:59   No.136
ファング君、がんばってNAOさんにお別れができて良かったね。君はほんとに優しいいい子でしたね。写真のいいお顔でNAOさんのお家に行ってどんなに幸せだったかわかりますよ。ルイも一足お先に行ってるので仲良く遊んでね。


ありすねぇ  [E-Mail]  2003/08/11/23:03:00   No.137
ファング君、NAOさんそしてご家族の皆様お疲れ様でした。頑張りましたね。ファング君が本当に頑張ったから神様が最後のお願い聞いてくれたんですね。NAOさんに会いたい!ファング君の願いはきちんと届きましたね。素敵な綺麗な最高のお願い事だと思います。


アンママ  2003/08/11/23:29:55   No.138
ファングくん、お疲れ様でした。良く頑張りましたね。ご家族にお別れがしたくて一生懸命待ってたんですね。
NAOさんに会えて本当に良かった。ファングくん 安らかに…。NAOさんご苦労様でした。

8月15日(Fri)  ファングの仏壇
 

ファングのいない生活。
介護に時間をとられることもなく、楽になったはずなのに体が疲れてならない。
夜も、ファングに付き合って起きていた時間になると自然に目が覚めてしまう。
でも、寝返りをさせる必要も、オシッコをしぼってやる必要もない。
ファングが生きていた頃も今も、時計は同じ速さで動いているのに、1日がとても長く感じられる。
心の中に溜まっている悲しみを、涙と一緒に流してしまいたい。
一週間は、ファングを思いながら一杯泣いてしまおう。
そう思っていたのに、現実は容赦がない。
我が家のガサツなネコズ、ジュンジュンとマッコが私を笑わせる。
10日、無事葬儀も終わり、小さくなったファングが家に帰ってくるなり、新しいおもちゃでも発見したように、目をキラキラさせながらファングを見つめるジュンジュンとマッコ。
みなさんから頂いたお花も、ちょっと目を離すとムシャムシャ食べようとする。
ネコズのいたずらからファングを守る為、ほとんど使っていない和室に仏壇を作ろうと思ったが、やはりそれではファングも寂しいだろう。
考えた末に、2年前、ネコズを川から拾った時にファングからネコを守る為に購入したネコゲージの中に、今度はネコからファングを守る為に仏壇を作ることにした。
ネコゲージの底の部分は、ファングが通院の際に乗っておみこしワッショイに使ったし、このネコゲージも本来の使用目的以外に、いろんな使われ方をしていると妙に感心してしまう。
とりあえずファングの仏壇が完成すると、早速泥棒ネコのジュンジュンがお供えのオヤツを盗みにやってくる。まったくバチあたりなネコである。
マッコはマッコで、仏壇となったゲージの上で飛び跳ねているし・・・
いいかげんにしろ!と思いながらも、ネコズの無邪気さについ笑ってしまう。
生前も、我が家のシッポのボスはジュンジュン。ファングはNO2の座をマッコと奪い合っていたライバルであった。オヤツをジュンジュンに奪われても絶対に怒らなかったファング。
マッコに挑発されては、ワンワン吠えていたファング。
ファングは亡くなってしまったけれど、我が家のシッポの日常は何も変わっていない。
亡くなった後も、ネコズにもてあそばれるファング、とても「らしい」気がする。

葬儀が終わった翌日からは、ファングのとりあえずの仏壇をキレイにするため買い物へ出かけた。線香立てや写真を入れるフレームなど、ファングのためにいろんな小物を選ぶことがとても楽しい。
写真も飾り、遺品の首輪なども飾り、たくさんの方から頂いたお花もいっぱいで、賑やかで華やかな仏壇になった。寂しがり屋のファングにとっては、きっと最高の仏壇だろう。
そして、一晩たつとお約束のようにネコズに花瓶を倒され、オヤツを盗まれ、生前と同様にあいかわらず私はファングのお世話を朝一番のお仕事とする毎日が日課になりつつある。

ファングが亡くなって数日が過ぎた頃、お花屋さんから電話があり、お届け物があるという。私には差出人が誰なのか、全く見当がつかなかった。
届いたお花にはファングの通っていた病院の名前。前日にお悔やみのお手紙がわざわざ郵便で届き驚いていただけに、お花まで贈ってくれるなんてと、驚きと感謝の気持ちで涙が溢れた。
私は、手紙とお花のお礼だけではなく、生前から良い病院にめぐり合えたと思っていた気持ちを、素直に手紙に書き病院へ送ることにした。
お友達が知り合いの獣医さんから聞いた言葉。
「獣医師を成長させるのは、患者の動物たちとその飼い主」
私もその通りなんだと思う。
ファングの主治医の先生も、最初はマニュアル重視だったのが診察を重ねるごとに、臨機応変に対応してくれるようになったし、飼い主である私の感情や患者であるファング自身に思いやりの言葉が出るようになった。
ファングの通院していた病院は、今でも十分に良い病院なんだと思うが、ますます良い病院になって、病気自体だけではなく、患者である動物や飼い主の心まで救ってくれるような温かい病院になってもらいたい。
ファングは、家族の私たちだけでなく、病院のスタッフの方の心にも、何か大切なものを残していってくれたのかもしれない。
No.139
 8月16日(Sat)  止まらない涙
ファング、お前が天国への1歩を歩み始めて、今日で1週間だね。
神様やノエルさん、ルイちゃん、むぎちゃん・・・お友達には会えたかい?

今まで、私はあんまり泣かなかったよ。
他のひとから見ればたくさん泣いていたかもしれないけれど、ファングが生きている時から「もし、ファングが死んじゃったら・・・」そう考えたら、もっともっと泣いて、何もできないと思ってた。
でも、この1週間、ジュンジュンやマッコのお世話もちゃんと出来たし、ファングを偲んで来てくれるお客さんの応対もきちんと出来たよ。ご飯だって食いしん坊のファングに負けないくらい一杯食べてるよ。
でもNAO、今日は何だかおかしいよ。
ずっと雨が降ってて寒いから、真夏だというのに今日はお鍋にしたんだ。
お鍋の日、ファングはいつも「ボクにもちょーだい!」って鍋の電気コードを引っ掛けながら近寄ってきたね。その度に、お鍋をひっくり返すと危ないからって怒られてたね。
そんなこと思い出してたら、急に涙が止まらなくなっちゃって・・・
きっと、ビールを少し飲みすぎたせかな?
いつもなら、2・3分で涙もおさまるのに、今日は全然止まらないよ。
今だって、PCの画面が涙で歪んで何も見えない・・・
この1週間、少しづつだけど、ファングがいなくなった悲しみも、ちゃんと整理できてると思ってた。
写真とかを整理するのと同じように、気持ちも整理していけてるんだって思ってた。
なのに、なんで涙が溢れて止まらないのかな?
ファング、こんな時はどうしたらいいの?
お前に会いたい。
夢でもいい。幻でもいい。ファングに会いたいよ・・・
No.140

豆ピン  2003/08/17/13:39:40   No.141
NAOさん大丈夫ですか?
どう言っていいのか上手く言葉が見つかりません。
気候も涼しくなったりで不安定です。食事はキチンと食べて体には充分気を付けてください。


NAO  [E-Mail]  2003/08/17/14:17:04   No.142
豆ピンさん、ありがとう。
心配かけてしまったようですね。
でも大丈夫。頑張れる時は頑張って、泣きたくなったら泣いて、感情の赴くままにしておこうと思っています。
しばらくは情緒不安定なのでヤバイ日記が続くと思いますが、心配はいりませんよ。


NAO  [E-Mail]  2003/08/17/14:19:57   No.143
そうそう、ずっと気になっていたんです。
豆ピンさん、いつもファングのこと「先生」と呼んでくれてましたね!(^^)
なんで「先生」なのかな?
別に意味はないのかな?


りんから  2003/08/18/13:26:49   No.144
今まで、ずっと緊張してきたNAOさんの心が少しだけ緩んできたんだよね。
私もリンカが大きな手術をした後、しばらくは何ともなかったのに、1週間も過ぎると涙が出てしかたがなかったことがあります。
少しずつ自分の心と向き合う余裕が出てきたのだと思います。
感情を縛らないでね。


豆ピン  2003/08/19/01:01:08   No.145
豆ピンです。
私は琉球古武術の古流空手や居合術などを修行しているのですが、こういう世界は昔は年配の人には敬意を表して「先生」と呼ぶことが当たり前でした。中国などでは今でも武術界に限らず目上の人には「〇〇先生」と呼ぶことがよくあるそうです。
 


豆ピン  2003/08/19/01:02:09   No.146
続きです・・・。
なので、それにちなんで年配のファング先生に「先生」をつけて呼ばせていただきました。実際、高齢で病気を持ちながらも、懸命に生きている姿は私にとって「先生」の称号で呼ぶにふさわしいものがありましたので、勝手ながら「ファング先生」と呼ばせて頂いていたのです。
 NAOさんが、ずっと気になっていたことはこういうことだったのです!


豆ピン  2003/08/19/01:12:49   No.147
補足です・・・。
古流空手とか居合とかいうと非常におっさんくさい印象をもたれると思いますが私は決しておっさんではありません!!(この辺は強く強調)小学1年の時にタイムボカンとかゴレンジャー見てました。(充分おっさん???)

8月19日(Tue)  残してくれたもの


ネットを通じてお友達になった豆ピンさん。
彼は、ずっとファングの事を「ファング先生」と呼んでくれていた。
どうして「先生」なんだろう?
ずっと不思議だったのだが、謎が解けた。

彼は琉球古武術の修行をしていて、年配の方には「先生」と敬意を表して
呼ぶことが当たり前なのだそうだ。
<高齢で病気を持ちながらも、懸命に生きている姿は私にとって「先生」の称号で呼ぶにふさわしいものがありました。(豆ピンさんのコメントより)

ファングに対し「ヘタレじじい」のイメージがある私にとっては、豆ピンさんのコメントは、嬉しいやら恥ずかしいやらで、なんだかとてもくすぐったい感じだ。
日記の中で、ファングの日常を綴る。一見飼い主の自己満足の為の行為なのだが、それを読んだ人々の心には、私とファングの日常から何か感じるものがあったのだと改めて実感した。
そういえば、同じように老犬の介護を続けている方の日記にも、ファングへのお悔やみの言葉を頂いた後、「毎日の介護は大変だけれど、一生懸命生きようとしている愛犬と一緒に過ごせるだけで幸せ」とかみ締めるように綴られた一文があった。

私がファングを失った今思うこと。
それは、愛するものと一緒にいられる事は、決して当たり前なことではないという事。
そして、愛する者が老いた時、介護ができるということはとてつもなく幸せな事。
毎日の介護は本当に辛く大変なことだ。
日々の生活はすべて愛犬を中心にまわり、眠ること食べること・・・それすら自分の思うようにはならない。そんな中、疲れてイライラする自分自身との葛藤とも闘い、愛する者の老いとその先に見える「死」への恐怖に怯える毎日。
時間と体と心の疲労に追われながら過ごすうちに、とっても幸せなことなのにいつのまにかただの辛い毎日だと思ってしまう瞬間がある。
私にはまだ、ファングを介護し続ける為の、覚悟も体力も気力も充分にあった。
それなのに、ファングはあっけないほど潔く旅立って行ってしまった。
この先、どんなに辛く大変な毎日が待っていようとも頑張るんだ!そんな前向きな気持ちがどんなにあったとしても、頑張ることすら今はもうできない。
介護はとても大変なことだけど、それを望んでも必ずできるとは限らない。
今、やってあげたいことは、今しかできないことなんだ・・・
「疲れたからブラッシングは明日ね」「お留守番しててね。明日は一緒にいるから」
先送りにしてしまった些細な出来事が、今になって悔やまれる。
ファングは、私の心の鏡のようだった。
私が疲れた体で一生懸命お世話できたと満足した時は、ファングも笑顔だった。
ちょっとズルをして手を抜いたときは、ファングもつまらなさうな顔だった。
でも、ファングは、一所懸命な私もズルする私も、無条件で愛してくれた。

ファングは私と暮らした2年7ケ月の中で、大切なことをたくさん教えてくれた。
そして、1年あまりの「介護ができる幸せ」をくれた。
ファング、お前と出逢えてよかった。
「死」から10日、今やっと言える、心からありがとう。
No.148

るんば  2003/08/19/20:00:00   No.149
一緒にいられる幸せ、何気ない毎日。いつもの笑顔。その平凡な毎日が宝物だった。そう思えるのは、きっとファングくんがNAOさんと同じく幸せだったから。私もそんなファング君とNAOさんに会えて一緒に過ごせた時間にありがとう。

8月21日(Thu)  男前純一郎VS女帝さくら
 

今日は、祖母がわざわざファングにお線香をあげに来てくれた。
足が悪くなかなか外出が大変な祖母なのに、ありがたい。
綺麗なトルコ桔梗の花束とお供えのショートケーキももらった。
生前のファングは、祖母の茶飲み友達であった。
ファングが元気にお散歩していた頃は、祖母の家がお散歩コースだった。
コースというより、ファングは祖母の家に行くことが散歩の目的だったのだ。
いつも真っ直ぐ祖母の家に向かい、祖母の部屋の前に座り祖母に挨拶をするのが日課だった。祖母も毎日ファングが朝夕通ってくるのを楽しみにしていた。
「ファングさんと一緒に食べる」と言って、お饅頭やみかんを用意しては、ファングが来るのを窓辺に立って待っていてくれた。
お散歩ができなくなってからは、祖母もきっと寂しかっただろう。
今日も元気な頃のファングの写真を見て、少々涙ぐんでいた。

ファングのいなくなった寂しさがまだ残る我が家だが、あいかわらず賑やかな「しっぽ三昧」生活は健在だ。
昨日も夕方、実家犬のさくら&キーボーが乱入。
お散歩もマンネリで、さくらが全く歩かないというので、気分転換に母が我が家に連れてきたのだ。
一緒に散歩へ行く為、私が家の戸締りをしようとドアを開けたら、さくらとキーボーがものすごい勢いで飛んできた。
そして、ジュンジュンとマッコがいるから家の中はダメーッという私の制止を無視して、ドアのわずかの隙間に2匹で体をねじ込んでくる。
結局2匹のパワーに負け、室内へ私ごと押し倒され乱入を許してしまった。
すかさず、2階からジュンジュンとマッコが降りてくる。
さくらとキーボーの姿を見るなり、ジュンジュンはシャーッと戦闘モード。
威嚇はしているがジュンジュンも近づいては来ないと思ったのだが、ファングのボスであったジュンジュンにとっては、相手がでかい秋田犬とキースホンドということは関係ないらしい。シャーッと真っ直ぐに犬たちを睨み付けながら威嚇する様は、ちっちゃいながらも黒豹のようである。
じわりじわりと間合いを詰めるジュンジュンの後ろから「私も闘うわ!」とばかりにマッコも続く。
お願いだから、それ以上来ないで・・・と思いながら、さくらの首輪をがっちり抑える私。ジュンジュンがいくら強いといっても、相手がさくらでは、パクッとされて、ブンブン振られて、あっという間にバラバラになってしまう。
キーボーは母の怒鳴る命令に怖気づいて、すんなり外へ。さくらはお尻を押して何とか外へ出すことに成功。事なきを得た。
それにしても、ジュンジュンはやっぱり強い!相手が自分の何十倍もでかい犬でもひるむ事はない。
先日、お散歩途中に立ち寄った叔母の犬クロちゃんもジュンジュンにはたじたじだった。
初めて会うクロちゃんにも、ジュンジュンは走りよってきた。
「ウーンニャッ!」と話しかけるジュンジュンから、ゆっくり目をそらしていくクロ。腿がガクガク震えていた。そして、ジュンジュンは怯えるクロちゃんのお鼻にチュッ!
そして、震えるクロちゃんの周りをグルグル回りながら、クロの体を匂いまくっていた。マッコはといえば、クロちゃんからそう遠く離れていないのに、床の上で腹を出して余裕で寝転がっていた。

純一郎君、マッコさん。世の中、ファングのような優しい犬ばかりではないのだよ。
No.150

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